貯蓄率とFIREまでの年数(手取り金額目標)

シミュレーション
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貯蓄率とは?

貯蓄率とは、収入に対して貯蓄に回る割合を言います。FIRE達成するために重要なのは、収入ではなく貯蓄率と言われています。なぜなら収入が増えても、支出が増えてしまえば生活は豊かになるかもしれませんが全く資産が増えていかないからです。自分の場合も、普段忙しすぎたというのもありますが、殆どお金を使っていませんでした。貯蓄率が高かったというのはFIRE達成できた一因だと思います。

そこで、ここでは貯蓄率とFIRE完全達成までに掛かる年数を数式で導出してみたいと思います。

長年、エンジニアをやってきたふくたつならではの切り口で、他のブロガーさんでは出せない情報を提供します。

FIRE完全達成条件

FIRE達成条件

FIREを完全に達成する条件について考えます。まず、毎月の手取り金額(源泉徴収で、税金、社会保険料その他諸々引かれた後の額)がX[万円]だったとします。貯蓄率がβ[%]だったとすると、βX/100[万円]が貯蓄に回せます。これを全額投資に回したとすると毎月βX/100[万円]積み立てることになり、以前考察した積立金の計算でn年後の資産計算を用いて導出することができます。こうして運用して増やしたn年後の資産で、FIREシミュレーターで導出した条件式に当てはめ、運用資産を完全に維持しつつ、毎月取崩しできる金額が、毎月の手取り金額Xと等しくなれば、完全FIRE達成ということになります。それでは条件式を求めてみましょう。

条件式

FIRE達成条件式は、以前の考察により(1)式で表される。FIRE達成に必要な運用金額をSFIRE、運用年利回りα[%]、毎月の取崩し金をA[万円]とする。

$$S_{FIRE}=\left\{1+\frac{1}{\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^{\frac{1}{12}}-1}\right\}A \cdot\cdot\cdot\cdot\left(1\right)$$

ここで、手取り金額XとAが等しくなれば完全FIRE達成なので、(2)式が成り立つ。

$$A=\frac{X}{1-\frac{20.315}{100}} \cdot\cdot\cdot\cdot\left(2\right)$$

一応、ここでは税率20.315%の税金を想定して計算をしています。

また、現在の金融資産の内、投資に回せる初期投資額をS0[万円]、毎月の積立可能金額βX/100[万円]として積み立てた時のn年後の資産An[万円]は(3)式で表される。

$$A_{n}=\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^nS_{0}+$$ $$\left\{\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^n-1\right\}\left\{1+\frac{1}{\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^{\frac{1}{12}}-1}\right\}\frac{\beta}{100}X \cdot\cdot\cdot\cdot\left(3\right)$$

An=SFIREで求めれば、求めるFIRE完全達成の条件式(4)式が求まる。

$$\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^nS_{0}+$$ $$\left\{\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^n-1\right\}\left\{1+\frac{1}{\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^{\frac{1}{12}}-1}\right\}\frac{\beta}{100}X$$ $$=\left\{1+\frac{1}{\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^{\frac{1}{12}}-1}\right\}\frac{X}{1-\frac{20.315}{100}} \cdot\cdot\cdot\cdot\left(4\right)$$

式変形すると(5)式が求まる。

$$\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^n=\frac{\left(\frac{1}{1-\frac{20.315}{100}}+\frac{\beta}{100}\right)\left[1+\frac{1}{\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^{\frac{1}{12}}-1}\right]X}{S_{0}+\left\{\frac{1}{\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)^{\frac{1}{12}}-1}\right\}\frac{\beta}{100}X}$$ $$=Y \cdot\cdot\cdot\cdot\left(5\right)$$

両辺をLogとって、Log(1+α/100)でわるとnが求まる。

$$n=\frac{logY}{log\left(1+\frac{\alpha}{100}\right)} \cdot\cdot\cdot\cdot\left(6\right)$$

(6)式で求める年数が求まった。この計算結果をもとに、シミュレーターを開発しました。

まとめ

FIRE達成に貯蓄率が大事であると言われていますが、貯蓄率とFIRE達成までの期間を数学的に解いて、導出することに成功しました。この計算により、貯蓄率とFIRE実現までの期間を明確に求めることが可能になりました。この計算をシミュレーターとして公開しました。

シミュレーターの検証記事はこちらです。

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