株の損益通算をちゃんと理解しないと税金を損する

投資
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株の損益通算とは?

株を始めたばかり方や、初心者の方で株の損益通算ついて、知らないという方も多いのではないでしょうか?知っていてもそのメリットに気づいておられず、積極的にそのシステムを利用している方は少ないのではないでしょうか?実は株の損益通算を知っていて、それを活用できるかどうかで、支払う税金の額が変わってきます。具体的な解説を行いたいと思います。

利益と損失をぶつけて利益を減らすことができる制度

損益通算とは、株や投資信託やETFなどの売買や配当で得た利益と、株や投資信託やETFなどの売買の損失をぶつけて、利益を少なくできる制度です。例えば年間に3つの取引があったとします。

  1. 1月にAという株の売買で100万円利益がでた
  2. 6月にBという株の売買で200万円の損失がでた
  3. 3月と9月に配当金50万円ずつ、合計100万円もらった

上の3つの取引では、損益を通算するとゼロになるので、支払う税金をゼロにできます。ただし、知らない場合、損益通算できず、利益が無いにも関わらず、税金を取られてしまう事もあります。

税金がとられるタイミング

確定申告が免除される非常に便利な特定口座(一般に皆さんが入っている口座)では、利益が確定した瞬間に利益に対する税金(税率20.315%)が引かれ(源泉徴収)、残りの残金が皆さんの口座に振り込まれます。従って、税金が徴収されるタイミングは次のようになります。

  1. 1月に 20.315万円
  2. 3月に 10.1575万円
  3. 9月に 10.1575万円

合計すると、40.63万円源泉徴収で引かれてしまいます。このお金が返ってくるかどうか非常に大きいです。知らなかったりすると全額戻ってこない場合もあります。

損益通算のやり方

損益通算の方法の種類

損益通算のやり方ですが2種類あります。

  • 何もしなくて良い場合
  • 税務署に行って確定申告

一般のサラリーマンの方は、会社が税務処理してくれるので確定申告をなされない方が多いのではないでしょうか?税務署は混むし、初心者には大変で難しいです。できれば避けたいところです。それでは取引例で解説したいと思います。

取引例で考える

  1. 1月にAという株の売買で100万円利益がでた
  2. 6月にBという株の売買で200万円の損失がでた
  3. 3月と9月に配当金50万円ずつ、合計100万円もらった

上の三つの取引をどの証券会社で行ったかで、特定口座に自動で返ってくる税金が変わります。

  • 1、2、3の取引が全て証券会社Aで取引した場合 → 年末に40.63万円 全額返ってきます。
  • 1、2が証券会社Aで3が証券会社Bの場合 → 年末に20.315万円 返ってきます。
  • 1、3が証券会社Aで2が証券会社Bの場合 → 1円も返ってきません。
  • 1が証券会社Aで、2が証券会社Bで、3が証券会社Cの場合 → 1円も返ってきません。

返ってこない場合でも安心してください。税務署に確定申告すれば後で返ってきます。特定口座内での損益通算は、あくまで同じ証券会社の取引の中でのみ行われます。気を付けなければいけないのは、情報を知らないことです。税務署の方は積極的に税金を減らす方法を教えてはくれません。知らなければそのままです。3番目、4番目のケースでは、確定申告が必要であることを知らない人は、本来払わなくてもよい税金40.63万円が源泉徴収で取られたままになってしまいます。

確定申告難しそう、面倒くさいという方は、複数の証券会社で株取引するのはやめた方が良いです。同じ証券会社で取引をしている分には、確定申告の必要なく、自動で損益通算してくれます。

確定申告のやり方

確定申告に必要な書類は

  • 働いている会社が年初に出してくれる給与の源泉徴収票
  • 証券会社が年初に出してくれる特定口座年間取引報告書(e-taxの場合XMLデータがあると便利)
  • その他控除の為の証明書

年間の取引をまとめた特定口座年間取引報告書を取引を行った各証券会社全てから貰い用意します。

確定申告はネットで申告するe-taxが便利です。e-taxをやる為には、電子認証登録したマイナンバーカードとPCでやる場合はマイナンバーカードを読み取るためのカードリーダーが必要です。SUICA対応のスマホでやる場合は、カードリーダー不要です。

e-taxのサイトはここです。e-taxに源泉徴収票に書かれた値と、証券会社の特定口座年間取引報告書の値を入力すれば、計算は全て自動でやってくれます。3/31までにすべての情報を入力して、送信します。証明書の類は、後で税務署に持っていくか、郵送で送れば完了です。

損失の繰り越し 何年?

年間の取引で、損失が利益を上回ってマイナスになった場合、その損失を翌年以降、3年間繰り越すことができます。翌年以降、繰り越した損失が有効な期間内であれば、利益が出た場合、繰り越した損失と利益をぶつけて税金を減らすことができます。但し、その繰り越しを維持するためには、取引がない年でも繰り越している損失を確定申告し続けなければ権利を維持できません。注意が必要です。

損益通算の積極的活用と節税

今までの説明で、株の損益通算について解説してきたのですが、それだけでは他のサイトと何ら変わりません。私が実践してきた節税方法ついて解説します。年末の段階で以下の状況にあるとします。

  • 年末の段階で、株の譲渡益や配当で確定した利益が100万円ある
  • 含み損を抱え、塩漬けにした株がx万円損している

対処法は以下の通りです。

  • x<100 の時 → 塩漬けしている株を全て一旦売却、x ×20.315/100 万円の税金を取り戻す。その株が必要であれば、その場で同じ株を買い戻す。
  • x>100 の時 → 塩漬けしている株の内損失が100万円になる分だけを売却して、20.315万円税金を取り戻す。その株が必要であれば、その時同じ株を買い戻す。

年末の段階で確定した利益があって、含み損を抱えた株があるなら、損を抱えた株を売って源泉徴収された税金を取り戻しましょう。そうして取り戻した税金を再投資すれば、取り戻した税金が新しいお金を生んでくれます。投資家として常に考えるべきは、キャッシュフローの最大化と、生まれたキャッシュの再投資です。

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