iDeCoと旧NISA、新NISAのベストな運用方法について

投資
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iDeCoと新NISAベストは運用方法は何なのか?色々なご意見があると思います。ここでは私が思うベストな運用方法について解説いたします。誰かの意見を参考にして書いたのではなく、私なりに考え抜いて出した結論です。皆さんの参考になれば幸いです。

iDeCoもNISAも政府による単なる投資促進政策と捉えがちですが、二つの性質は全く違います。iDeCoはあくまで年金、NISAが投資促進政策です。性質を理解した上で最適な投資方法を選ぶことは重要です。以下私が一番良いと思う運用方法について説明したと思います。

iDeCoのメリット、デメリット

iDeCoのメリット、デメリットをまとめたいと思います。

iDeCoのメリット

  • つみたて金額が全額、課税所得から控除できる。
  • キャピタルゲインに対して課税されない
  • 受取時も退職所得、年金控除などの税制優遇が受けられる
  • 売却して投資先をスイッチングしてもキャピタルゲインに対する非課税が維持できる。

解説

主なメリットとして、所得税、住民税が減額されます。収入にも拠りますが、その年度の積立金の総額に対して2、30%税金が還ってくるイメージで良いと思います。詳しく知りたい方は、私が開発したiDeCo完全シミュレーターで計算してみて下さい。

あまり一般的に語られてませんが、売却して投資先を変えても非課税メリットを維持できる点は、物凄いメリットです。突発的な株価下落を予想するは不可能ですが、政策金利の変動など明らかに株価下落予測可能なシチュエーションで、非課税メリットを維持しつつ、投資先をスイッチングできる事は大きなメリットです。

iDeCoのデメリット

  • 60歳までおろせない
  • 元本割れのリスクがある
  • 損しても損益通算できない
  • 受取時に税金が掛かる可能性がある

解説

iDeCoは60歳までおろせない

60歳までおろせないのがデメリットです。この点を一番の問題点として挙げる方が沢山います。ただ、おろせないのには理由があって、あくまでiDeCoは年金だからです。年金の原資を運用して自分で増やすのが目的だからです。先日、ニュースでもあったように国民年金の加入が65歳まで延長することが検討され始めました。自分が年金を受給する年齢になっても、果たして年金がもらえるのか?特に若い人にとって大問題です。将来、自分の生活を護る為だと思えば、おろせないことはそんなデメリットではないと思います。

元本割れのリスク

投資には、元本割れリスクがあります。ただ、現金で持っていることがリスクが無いかと言えばウソになります。現金でも、インフレ、円安の局面ではかえってリスクになります。今現在は円安によって、対ドルに対して30%~40%円の価値が下落しています。現金で持っていてもリスクがあると言えます。

iDeCoは受取時に税金が掛かる可能性

受取時に一時金として受け取るときは、退職金と合算した額に対して退職所得控除があり、

  • 40万円 × 勤続年数(80万円以下のときは、80万円) 勤続20年以下
  • 800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年) 勤続20年超

退職金との合算が退職所得控除を超えると、超えた額に対して税金が掛かります。優遇処置はありますが、超えた額に対して一時金として貰う場合も課税されますし、年金として貰う場合も公的年金控除を超える額に対して課税されます。税金が掛かってしまう問題に対して、私が考える解決方法ベストだと思う方法は二つあります。

iDeCo受け取り時の税金対策
  1. 退職所得控除の上限まで一時金で受け取る+超えた分は男性の場合は67歳まで分割して年金として受給 女性の場合は70歳まで分割して年金として受給 + 男性の場合は67歳まで厚生年金、国民年金受給を繰り下げ 女性の場合は70歳まで厚生年金、国民年金受給を繰り下げ
  2. 退職所得控除の上限まで一時金で受け取る+残った残金は運用しながら取崩し
iDeCo受け取り時税金対策解説

1の方法について解説します。1の方法は、国民年金、厚生年金の受給開始を繰り下げ、受け取り年金の増額を狙う方法です。

国民年金、厚生年金の受け取り開始を繰り下げると1か月あたり、0.7%増額されます。1年繰り下げると8.4%、5年繰り下げると42%、10年繰り下げると84%増額されます。

男性の平均寿命が81歳だとします。一年の年金額を100%とすると、65から81歳まで繰り下げないで貰える年金は16年で1600%、それに対して、受給を2年間繰り下げると増額により1年の貰いは116.8%になります。これを14年貰えることになるので、合計1635.2%となります。繰り下げによって貰える年金の総額が2%くらい増えることになります。

女性の平均寿命が88歳だとすると65から88歳まで繰り下げないで貰える年金は23年で2300%、5年間繰り下げると1年の貰いは142%になりこれを18年貰えることになるので、合計で2556%となります。女性の場合は、5年の繰り下げで約11%年金の貰いが増えることなります。

つまり、まずは退職所得控除上限まで一時金で受け取ります(無税で一括で受け取りできます)。余った額を厚生年金、国民年金の受給開始繰り下げによって年金が貰えない期間の代わりの年金にして、受け取る年金の増額を狙うことです。ここでの計算は、あくまで平均寿命で計算しています。この手法は、平均寿命の長い女性にとっては物凄い効果があります。もっと長生きできる思っている方は、もっと繰り下げた方がメリットが出ます。

2の方法について解説します。2の方法については、運用しながら取り崩す手法です。この方法のメリットは、運用によって得られるキャピタルゲインに対して、20.315%の税金が課税されない点が挙げられます。更に、公的年金控除で税金を減らせます。

この時、一番良い運用方法は、毎月得られるキャピタルゲイン相当を毎月取り崩して、運用原資を減らさず永続的に年金を受け取る方法です。つまり、生きている間、永続的に稼働するキャッシュマシーンを作ることが可能になります。実は、私が独自に考案した計算でその額が計算できます。iDeCo完全シミュレーターを用いて計算すれば、具体的な取崩しの割合を求めることができます。勿論、この手法であっても公的年金控除額を超える額に対して総合課税で所得税、住民税、社会保険料がとられます。しかし、キャピタルゲインに対する課税20.315%が掛からないし、年金としての控除もあるので大部分は相殺されると思います。

1、2どちらを選択するのが良いか?というと、退職一時金として貰った額の残りの金額が、

iDeCoの運用成績が良く額が大きい場合は2

2年から5年の繰り下げ年数の生活費程度の額でしたら1

を選択するのが良いと思います。

NISAのメリット、デメリット

NISAのメリット、デメリットをまとめたいと思います。

NISAのメリット

NISAのメリットは以下の通り。

  • キャピタルゲイン、配当に対して税金が全く掛からない
  • 新NISAでは、成長投資枠(一般株)は年間最大240万円を最大1200万円、積み立て枠は年間最大120万円を最大600万円まで積めます。

NISAのデメリット

  • 元本割れのリスクがある
  • 損益通算できない
  • 売却すると非課税枠がなくなる

解説

私が考えるNISAの最大のデメリットは、株式を売却すると非課税枠がなくなってしまう点が挙げられます。つまり、NISAは株が下落しようが上昇しようが、非課税のメリットを受け続けるためには、塩漬けし続けなければいけないのです。ここはiDeCoと決定的に違うところ。

つみたてNISAで、ドルコスト平均法でメリットがあるとかいろいろ言われていますが、そんなメリットより株価下落局面で売却する方がよっぽど効果が大きいという点を指摘させて頂きます。例えば株価が3割下落するなら、下落する前に売却して、下落後に買い戻せば、ドルコスト平均法などすっ飛んでしまうくらいのリターンが得られます。

突発的な株価下落には対応するのが困難ですが、政策金利の上昇など明らかに下落予測可能な時に、権利維持の為に売却しずらいのはあまり良いとは思えません。

そうした問題点を考慮し、塩漬け前提で考えるなら、一番メリットがあると思うのは、旧NISAでは、つみたてNISAではなく一般NISAによる高配当株への投資です。新NISAでは成長投資枠への高配当株投資です。

一般の株式投資でも高配当株に投資して配当収入を得ている方が沢山います。そうした配当収入に対して20.315%の税金が無くなるのは大きいです。

NISAで高配当株に投資すれば、塩漬けし続けてる間稼働し続ける無税のキャッシュマシーンをつくることができます。塩漬けにするその性質上から考えて、NISAは配当収入を得る手段として活用するのがベストだと考えます。

例えば、新NISAで成長投資枠1200万円を積んだ場合、高配当株の利回りが5%だとすると、年間60万円無税で毎年貰えるキャッシュマシーンが完成します。

無税のキャッシュマシーンは如何に優秀か?について説明します。例えば所得税20%、住民税10%のサラリーマンの場合、X万円課税所得が増えると、社会保険料(健康保険料、厚生年金など)15%を考慮すると、45%源泉徴収されて手元に残るのは0.55 × X万円しか残らない。約半分源泉徴収で持っていかれます。年間60万円の無税のキャッシュは、実質110万円の課税所得と同じ効果ということです。このことからも無税のキャッシュマシーンが如何に優秀か?理解できたと思います。

国のシステムを最大限に活用した最高の投資手法

iDeCoとNISAのメリット、デメリットについて説明しました。上記内容を理解したうえで、国のシステムを最大限に活用した投資手法について説明します。

NISAは塩漬け前提なので、その性格上高配当株に投資して、永続的な無税のキャッシュマシーンを作ることをお勧めしました。ここで、発生したキャッシュをiDeCoに投資したらどうなるでしょうか?無税のキャッシュマシーンから得た収入で、iDeCoに再投資すれば投資した額の一部に相当する額が、税金が免除される事で還ってきます。サラリーマンの場合、源泉徴収された税金の一部が還ってきます。

以上をふまえると新NISAについても対策がみえてきます。まずは先に成長投資枠で高配当株に投資します。旧NISAの一般NISAに投資した額+新NISAの成長投資枠に投資した額(最大で1800万円[旧NISA600万円+新NISA1200万円]。今からだと最大で1200万円[新NISA成長投資枠1200万円])で作った無税のキャッシュマシーンから、配当金を得て、まずは成長投資枠の枠が残っていれば、成長投資枠に、それでも余ればiDeCoに投資、iDeCoに投資によって還ってきた税金、それでも余った配当金は新NISAの積み立て枠に投資。

つまり無税のキャッシュマシーンから得た配当金をiDeCoに投資して、iDeCo投資で還ってきた税金を新NISAの積立枠に再投資すれば、国のシステムを最大限に活用した投資ができます。

  1. 成長投資枠で高配当株投資
  2. iDeCoの積み立て投資
  3. 新NISAの積み立て枠投資

例えば、新NISAで成長投資枠1200万円を積んだ場合、高配当株の利回りが5%だとすると、年間60万円無税で毎年貰えるキャッシュマシーンが完成します。

一般のサラリーマンだとするとiDeCoに積めるのは月2万円、年間24万円。24万円iDeCoに積んだ場合、所得税20%、住民税10%だとすると7.2万円の税金が還ってきます。残った配当金36万円と還ってくる7.2万円の税金の合計約43万円を新NISAの積み立て枠に投資できます。毎年43万円で投資すると新NISAの積み立て枠に14年で満額の600万円、追加投資資金をかけずに投資することができます。この投資手法を用いると、国のシステムを最大限活用して、より少ない投資でより大きなリターンを得ることが可能になります。

まとめ

iDeCo、NISAのメリット、デメリットをまとめ、その性質の違いから、私が考える最適な運用方法について解説しました。

新NISAの成長投資枠は塩漬け前提なので、高配当株に投資して、無税のキャッシュマシーンを作るのがベストの運用方法。

国のシステムの利点を最大限に活用した投資手法について解説しました。

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